メイプルわっふるG

メアリーの総てのメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
4.0
ゴシック小説『フランケンシュタイン』を18歳で書き上げた天才女性作家、メアリー・シェリー波乱の生き様。

情熱と勢いで駆け落ち。絶えることのない災難と不幸。ただそれは自らが選択した人生の結果。おかげでフランケンシュタインという怪物が生み出されたという。人間万事塞翁が馬。ちょっと違うか。

尊敬できる偉大な両親。馬が合わない現実的な義母。立ち回りを失敗する妹。弟どこいった。
駆け落ち相手の詩人パーシー・シェリー。自由恋愛を都合よく主張。無計画で享楽的な生活。不幸の元凶ここにあり。

史実を元にしているため、実在の名前がそこかしこに登場。彼ら芸術家の放蕩三昧は穿ち過ぎなものの、お貴族さま隆盛期の19世紀初頭、当たらずと雖も遠からずといったところか。好きな作曲家が多い時代、彼らがパトロンをしてくれたから生まれた名曲も多いはず。これは素直にありがたい。芸術文化にはお金が掛かるというお話。

現代においても、何を言うかではなく、誰が言うかに重きが置かれる風潮は否めない。それが名言だろうとお笑いのネタであろうと。ましてこの時代であれば、その傾向は常識レベル。立派な父親と改心した旦那はファインプレイ。

登場女性たちの衣装で『高慢と偏見』を思い出した。同じグレートブリテン島。大陸とは違うお国柄の個性なのかな。ただ単に監督や映画の特色かもだけれど。