あゆた

ティーンスピリットのあゆたのレビュー・感想・評価

ティーンスピリット(2018年製作の映画)
4.0
オーディション番組でアイドルを目指すエルファニング。詳しくないけれどリアリティーショーや若者の鬱といった複雑系の現実を思うと、少々しんぱいになるほどにあらゆるツイストを排したプロットはエルファニングを映すためだけに動き、撮影は顔を切り替え表情が連鎖していく。

どこまでも凡百なアメリカ映画に思えて、どの登場人物もルーツをアメリカや舞台であるイギリスに持っていない。アイデンティティポリティクスと祭り的な熱狂を纏った2010年代についての物語であって、この10年間に非英語圏の映画作家との共作の多いエルファニングのフィルモグラフィーのみが説得力を与える。

過去の出演作、シガーロスのMVや色々なグラビアと似たような場面が連続するが、セルフパロディの意味も全く無くただ軽い。LORDEの仕草を真似しながら楽しそうに歌い続けるアイドル映画で好き。
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