ひこくろ

ティーンスピリットのひこくろのレビュー・感想・評価

ティーンスピリット(2018年製作の映画)
4.3
田舎育ちの女の子がオーディションを勝ち抜いてメジャーになるというあまりにも王道なストーリー。
さらに、途中の展開も、共に努力してきた師匠と仲違いしながらも、最後には再会して成功するという、これでもかな話。
でも、そんなベタすぎる物語が、エル・ファニングの存在によってとんでもなく輝いている。

大人の色気を見せたかと思えば、子供らしくあどけない溌溂さも見せる。
それだけでなく、ちょうどその狭間で揺れ動く不安定な少女特有の魅力も存分に演じてみせる。
2021年現在、彼女の存在はほとんど奇跡に近いと思う。
この先、きっとまた彼女は別の魅力を備えた女優さんになることだろう。
(個人的には、たぶんニコール・キッドマンのような女優さんになるような気がしてる)
でも、いまこの瞬間の彼女の魅力はほかの何物にも代えがたい。
その魅力をストレートに映すだけで、映画には価値が生まれるんじゃないかって気さえする。
とにかく、いまの彼女にはできるかぎりたくさんの映画に出てほしい。

変に凝った作品ではなく、ベタな作品のほうがより彼女の魅力を生かせると思う。
この映画はそれをはっきりと証明してくれた感じがする。
それぐらいベタだけど楽しく、彼女の魅力を存分に堪能させてくれる映画だった。
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