ゆう

最高に素晴らしいことのゆうのレビュー・感想・評価

最高に素晴らしいこと(2020年製作の映画)
3.8
美しい風景や詩が散りばめられていてきれいで素敵な雰囲気。
主演2人の、バイオレットの光のない目やフィンチのどこか不安定で繊細な演技が素晴らしかった。

フィンチの明るさと強引さがバイオレットの心に光を差すようでよかったし、次第に笑顔が増えていくバイオレットが印象的。
2人は同じような闇を抱えていたから惹かれあったんだろうなぁ。

フィンチの自分が分からなくなるような不安や深い深い苦しみがだんだんと感じられて、見ていてつらくなった。
突然いなくなったり、自分に向き合って1人で解決したいと思う気持ちは共感できる。
本当に苦しいことやつらいことは自分にしか分からないし、人に言いたくないし悲しませたくない。
でも大切な人を心配して何かしたいと思うし何でも話してほしい。
バイオレットと友達との会話
「でも悲しいよ」「うん」
が、とてもリアルに感じた。

フィンチの選択は悲しいけれど、フィンチはこれまでも同じように繰り返し苦しんできたんだと思うと更に悲しくなった。

バイオレットがフィンチがくれた優しさや希望で勇敢に生きていくようなラストが切なくてきれいだった。

自殺や心に苦しみを感じることについてあたたかく、繊細に現実的に感じられる作品だと思う。
ゆう

ゆう