【ただのハイスクールロマンスよりも繊細な映画】
初めは、フィンチという少し問題のある少年がバイオレットを暗闇から立ち上がらせる物語のように見えた。だが次第に、彼がその優しさと同時に抱えている、その心の苦しみを理解することのできないバイオレットの葛藤が描かれるように。
ちょうど何度目か分からない心の病を再発したタイミングで、私はこの映画を観た。バイオレットの葛藤よりも、フィンチの苦しみにひどく共感した。誰にも相談できない、したくない、目を向けたくない。自分1人で克服できる、乗り越えられる。
だれかが助けようとしてどうにかできる問題ではない分、フィンチのように敢えて誰にも見えないようにしてしまう。フィンチとは症状は違うものの、果たして私はこの病気に打ち勝てるのだろうか。
バイオレットのように、暗闇から抜け出せるだろうか。
