得体の知れない"何か"から身を潜め、怯えて生きる。その"何か"とは何なのか？そこを敢えて明かさずに、いずれ襲い来るであろう"何か"に対してどう対処するのか？どう生き延びるのかを描いたサスペンス・スリラー。
この手の映画は、特に近年では珍しいものではなく、はっきり言って本作もその域を出ない。しかしながら、それでもこの映画を面白いと思ってしまうのは、不穏につづく不穏の連続がそう感じさせるからだ。特にこの映画を観ながら「もしかしたら…」というifのコトを考えに考えてしまうようであるならば、その不穏につづく不穏の連続に息苦しさを覚え、最高の恐怖体験ができることだろう。逆に「なんで？どうして？結局なんなの？」という明確な答えを探してしまうと、最後の最後まで頭の中にモヤモヤばかりが残ってしまうことになる。
この映画は、結果を求める映画ではなく、映画として用意された状況を楽しむ映画である。
この映画がそうであるように、このレビューでは何も明かさずに、どのような物語なのかも説明はせずに、ここでボンヤリと終わりたいと思う。
