あきしげ

クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的のあきしげのレビュー・感想・評価

3.0
終盤近くまではハラハラ、ラストでモヤモヤ。

良かった点。

・密室劇での疑心暗鬼
・原因不明の恐怖演出
・様々な可能性の余地

悪かった点。

・結末の曖昧な終わり方
・原因がハッキリしない
・確証のない単なる推測

アルバトロス・フィルムからの作品。
本作は真面目な部類となっています。
アルバトロスの良いところは吹替だ。
しかも、素人じゃなくてプロを使う。
おかげで物語へすんなりと入れます。

タイトルから連想する密室劇。
外に出たら狙撃される超展開。

この時点で多くの人は原因を予測する。
本作はその余地を充分に与えてくれる。
なぜなら登場人物に工夫をしています。
疑われるような容姿や言動をしている。
それぞれの登場人物は皆怪しいのです。

外の狙撃手と誰がグルなのか。
実は誰かが国際犯罪者なのか。

色々と思考を巡らせる作品である。
ここら辺は非常に面白い構造です。
物語とは別に自身の予測も加わる。
これにより物語は盛り上がります。

そして、原因はモヤモヤと分かる瞬間。
一気に下降線を辿っていく不思議な力。
もっと複雑に絡み合った原因だと予測。
それを見事に壊してくれた単純な要因。
しかも、確証のない微妙な結論という。

おかげでクライマックスは納得できない。
なぜなら本作はハッキリと描かないです。
あまりにも観ている側に託しすぎた演出。

正直言って、こういうのは好きじゃないです。
問題を出したら、きちんと答えを出すべきだ。
それが映画を作り上で最も必要な要素である。
重要な部分を観ている側の解釈に託すやり方。

これは最後でずっとモヤモヤが残ります。
結果はどうであれ、答えが欲しいのです。
特にこういう作品では尚更欲しいと思う。
それを丸投げしたような結末はダメです。

そもそも原因がモヤモヤと分かった時点で微妙。
複雑な相関関係を期待していたのに残念の極み。

最後はゾンビでも出ればいいのに。
あきしげ

あきしげ