ゼロ

火花のゼロのレビュー・感想・評価

火花(2017年製作の映画)
3.0
お笑いという夢を追い続けた10年。

原作は、芸人・又吉直樹さんで、監督は同じく芸人・板尾創路さん。原作・監督が芸人で、内容も芸人の仕事を描いたものであり、芸人が好きな人には持って来いの作品といえるでしょう。

表題が「火花」なのもあり、大きく輝くことはありませんでした。主人公・徳永(菅田将暉さん)が、先輩芸人・神谷(桐谷健太さん)に憧れを持ち、苦悩や挫折を繰り返し、少しだけ成功します。その輝きが「火花」となっていたのでしょう。

全体的にドキュメンタリーのような撮影。10年の歳月を2時間で描かなければいけないため、テンポは早い。徳永役を演じた菅田将暉さんが、カッコ良くて熱い性格であるため、徳永のキャラクターと離反している点はありました。最後のお笑いライブもフルスロットルで演じることはしないんじゃないかな、と。

ただ夢を持ち続けても、叶うことはなく、競争社会を生き抜く必要がある。ある意味、現実を描いており、その辺の心情は良かった。

綺麗ごとだけじゃなく、クズな人間も出てきますが、それもお笑い芸人の現実なのかもしれない。いい塩梅な作品でした。
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