スポック

きみの鳥はうたえるのスポックのレビュー・感想・評価

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
2.5
感情を出さないように必死で押し殺しながら自由を装って無責任なフリをして生きる。
世の中が悪いわけでも、育て方が悪いわけでもない。
現在の人権重視の日本では生死に係るほどの貧困に陥ることもなく、かといって努力もせずにみんなが皆んな幸せになれるほど平等なわけでも無い今の平和な日本において、とにかく自分自身が傷つかないようにふわふわと生きる選択をしても若い時期はほどほどに日常生活は過ごすことができる。
しかし同じ時間を生きる現在の日本人の若者の中にも血を吐くような努力の日々を自ら望んで精進して20年ほど前の日本人では到底太刀打ちできない世界レベルの成績を達成しているスポーツ選手や研究者や技術者の若者がいる反面、今の満たされてつつある日本社会になんとなくへばり付いて生きている登場人物たちのような若者も存在している。
どんなに現実から顔を背けて逃げていても親の介護や恋人の心変わりや他人からの否定などに直面したときに、我慢して何も無かったようにスカしていた無関心スタイルを貫き通すことができずに抑えきれない感情が爆発してしまう普通人の自分が結局はみっともなく露呈してしまう。