僕(柄本佑)も佐知子(石橋静河)も静雄(染谷将太)もそれぞれ、空虚を抱えていて、それが為に、多分、それぞれの距離感が良くていつも一緒に居るようになったと思う。
3人とも何をしたいのか分からず、混沌としている所が、モラトリアムかと。私自身も、観ていて学生時代に戻ったような気分になった。佐藤泰志の原作(未読)が1981年に発表されたというのも時代の影響があるかと思う。彼原作の映画「そこのみにて光輝く」はもっと強烈だったけれど。
ラストがなければ、もっともやっとしたものになっていたと思い、ラストで、“僕”がやっと自分の気持ちに気付いた的な、やっとそこにたどり着いてほっとした。
三宅 唱監督の「ケイコ 目を澄ませて」を観たので、こちらも観てみる。石橋静河はよかったかな、染谷将太はうまいと思ったし、柄本佑はそれなりと思った(2023.7.16)。