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きみの鳥はうたえるのmegurosのレビュー・感想・評価

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
3.6
主人公「僕」の他者や社会への態度は特殊なものではなく、むしろ若い世代では一般的なものなのではないかと思う時がある。自分はもうおじさんなので陰鬱な気分にもなるが、とはいえ店長の萩原聖人のような生き方も寂しいし、バイトの先輩のような男にもなりたくない。

なりたい自分を探す、その迷いの中で生きるのがもし青春であるとすれば、自分もまだその中にいるとも言えなくもないが、他者への敬意を失ったら終わりであるのは確かだと考えるくらいには大人にもなっている。

ラスト、「僕」が成長した結果、さちこはある判断を迫られることになる。しかし、さちこも成長している。答えは決まっているだろうし、それが自分のように感じている人間にとっては救いである。
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