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ラ・カサ/家のnagashingのレビュー・感想・評価

ラ・カサ/家(2012年製作の映画)
3.5
シーツが一瞬ふくれあがってゆっくりとすぼむのだけで新鮮。生活の残滓を顕微鏡的に精緻に捉えたり、ピンぼけの事物を反射で重ねたり、断片的で抽象的な像と音の多層性で、乱脈に呼び起こされる「家の記憶」を再現する。家の解体が進行するにしたがって、夢幻の連なりが写実主義に取って代わられるのもエグいが、その無常観をより大きな悠久の時間の中に包摂するラストの樹木もすごい。とてもコンセプチュアル。『A GHOST STORY』の地霊の目から見る世界みたい。
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