ペコリンゴ

大人のためのグリム童話 手をなくした少女のペコリンゴのレビュー・感想・評価

3.2
記録。
おとぎ話の向こう側へ

グリム童話の一編「手なしむすめ」をフランスの新鋭セバスチャン・ローデンバック監督がアニメ化した作品。

昔々あるところに。
水車小屋で暮らす貧しい一家がおりました。ある日父親の元に悪魔が現れ、富と引き換えに「水車の裏のもの」をよこせと言います。これを林檎の木のことだと思った父親は取引に応じますが、悪魔の要求は一家の娘でした。涙で濡れた娘の清らかな手。清らかなものに触れない悪魔は父親に命令します。
「手を切り落とせ」と。

み、見づれぇ…。

せいぜいジャケの絵柄くらいの表現かと思いきやその数倍見づれぇ!

超ラフなラフスケッチ的な感じで、キャラクターの線は繋がってないし背景と一体化しててマジで見づれぇ…。

というのも監督が一人で、しかもたったの一年で作画を手がけたらしく、この手法を「クリプトキノグラフィー」と言うらしい。でも結局見づれぇ。

ま、キャラクターの動きには躍動感ありますし、極端に抽象的なこの画風を芸術的と捉えるのも一理あります。見づらいけど。

お話はグリム童話の初版に収録されてたもののようで、残酷だったり性的だったりします。母親も犬に食い殺されますし。

手を失ってからが本番の物語なんですが、悪魔がまぁ狡猾でしたね。初登場時は何故かチ○コ丸出し。変態さんかな?

一応童話の方も読みましたが、本作は現代的なアレンジがされていて、苦難に屈しない女性の姿が強調された内容になってると思います。

でも「見づらい」が口をついて出るくらいだから合わなかったんでしょうね。