Aix

大人のためのグリム童話 手をなくした少女のAixのレビュー・感想・評価

3.4
アヌシー国際映画祭で審査員賞と最優秀フランス作品賞を受賞したアニメ映画。グリム童話に収録されている“手なしむすめ”の話。

想像以上に微妙な作品でした。今作のアニメーションは綺麗だけど、別に斬新ではなかったです。クリプトキノグラフィーと呼ばれる水墨画や水彩画を彷彿とさせるような独特な作画技法が今作には使用されていますが、絵コンテがないからか全体的に単調で、モノトーンのまま物語が展開していきました。監督一人で今作を作ったのは凄いと思いますが、途中でナレーションが入るのも雑に感じたし、演出も似たようなものの使い回しが多かったです。

童話を元にしたダークファンタジーが今作のコンセプトだけど、哀しみのベラドンナとか、川本喜八郎の鬼とか、アニメーションじゃなくてもミツバチのささやきやパンズラビリンスなど、今作よりも素晴らしい大人向けのおとぎ話はたくさんあります、今作は普段アニメを全く人なら楽しめるのかもしれませんが、個人的にはあまり良い作品だとは思わないし、オススメも出来ません。
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