グリム兄弟による原作を知らなかったので、最後までこの物語がどんなふうに転がっていくのかとハラハラドキドキしながら観た。鑑賞後、原作を調べたら、大きな筋は同じだけど、ちょっとずつ、今の時代の価値観にしっくりくるような改変がしてある。きっと、伝承というのはこうしてその時代に合うように少しずつ変化しながら語り継がれていくのだろう。
童話には女性性の押し付けがつきものだけど、そこからの解放だけでなく、男性性からの解放も描いているのが良い。現代を生きる人たちに向けた作品だと思う。
筆で描いたような独特な画風で、肉体や生理現象などに関する表現も多く見られるのにも驚いた。アニメーションでこういうの、あまりない気がする。「かぐや姫の物語」ヴァーホーヴェン風味、みたいな感じかな。
