私は決して近年のピンク映画に精通している訳ではないのですが、ロマンポルノはある程度観てきた…て身からすると実に「薄味」だな～とゆーか、そもそも本質的にポルノである必要が（＝ポルノシーンが入る必要が）全く無いという作品に思えるのですよね。括りとしてポルノ（＝ピンク or ロマンポルノ）であるのならば、その内訳としては「ポルノシーン（ポルノ的内容）自体が主眼という作品」「ポルノシーンを使わんと描けない…という物語を描く作品」のどちらかにしかならないと思っているのですが、今作はそーいうヤツでもなさそーなのだよね…とゆーか。
何故こんなコトを言うかとゆーと何よりも指摘したいコトとして結局、今作ではポルノシーンはもはや邪魔にしかなってない（辰巳ゆいの裸が特に）と思われるからなのですよ（悪い意味でこんなに文芸的で、かつ淡くてささやかな恋の物語なのに…と）。また、根本的な構成としてもまず加藤ツバキのパートは完全に不要だったとも思うのですね（まあ加藤ツバキは演技自体は一番好かった様な気もしますケド）。コレとてやはりポルノとしての建付け（出演者のバリエーション的なコト）の為に女優を３人入れなければならなかった…というコトにしか見えなくて、やっぱフォーマットと内容がどーにもチグハグだ…としか言えねーのですよね。
もう一点、タイトルの『初恋と…』てのは結局、主人公が30半ばにして実質の初恋に（ナポリタンと共に）出会う…という話だってコトなのですよね？だとしたら、やはりその主人公を辰巳ゆいに演らせるってのも流石にコレは無理とゆーのがありますよ（元セクシー女優とかって括り抜きに、同じ様な条件でコイツが成立する女優さんの方が多分少ないですって）。重ねて、ピンク映画としてはもしかしたら意欲作の部類なのかも知れませんし、内容だって（仮に無駄を削って60分ドラマだったとしたら）ソコまで悪くはないかも…な程度の出来ではあるとも思いますが、ちょっと非常に根本的な部分で確実に失敗してる作品だな…とも思ってしまいました。残念ですね。
