なつ

マザー!のなつのネタバレレビュー・内容・結末

マザー!(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

完全なる人間・地球・社会・宗教への風刺!と思えなくもないけど、ともすれば一番はそれこそ現実に在る漠然とした「神」への怒りとか当てつけなのでは?とも思える。どう見ても夫は単なる被害者側ではないのだし。
常に視聴者にイライラとか不快感を訴えてくるのは、「神や母なる地球はこんなにも苦しみ続けている、お前たち人間のせいで!」という主張を感じるし、実際不快に思うあたり皮肉だな〜と思いつつ、でもやっぱりちょっと説教臭いな…とも思った。
政治的・宗教的主題の主張が激しい作品は好きじゃないけど、単なる聖書のオマージュとして観るとめちゃくちゃ面白かったし自分は好きでした。作中で夫に「作品は受け取る人の解釈で変わる」みたいなことを言わせていたのも印象的だったかな。わたしはあれを監督の「皮肉ではあるけどこれが自分の主張の限りではない」というメッセージとして捉えた。
(2022/02/11)

(2023/03/10)
二回目視聴。
これ、やっぱり環境を破壊し社会を作り出す人間への風刺っていうか、「所謂聖人みたいなものを神とするなら、こういうことじゃないの?」みたいな教徒への風刺の方が強い気がしてきた。
母側を徹底して被害者として描くのも、「そもそもやったやられた加害者被害者的なことを言い出すのは人間だけだよ」みたいなものも感じるし。人間という存在すべての皮肉みたいに見えてくる。
キリスト教徒だったらもっと面白く観られるんだろうけど、キリスト教徒じゃないから好きだと言えるみたいなところもあって、自分はかなり好きだな〜定期的に観たいな〜と思う。また観よう。
なつ

なつ