ポックンポクン

マザー!のポックンポクンのレビュー・感想・評価

マザー!(2017年製作の映画)
3.8
人類のここではない何かを追い求めるあまりの傲慢さ、足ることを知らない滑稽さを聖書を下敷きにしながら作家≒author≒クリエイターの産みの苦しみと業を描いている。タイトルは「マザー!」ではなく「クリエイター!」のほうがしっくりくるし、むしろ潔い。創造と破壊が表裏一体であることから、人生においてむしろ破滅的に生きざるを得ないトップクリエイター達の悲壮感についての映画と捉えた。

また、知恵や賞賛を得ることに終わりはなく、そのために資源を喰い散らかしながら果てる方向にあることを啓示的に描き、宇宙時代を皮肉っていたようにも思った。
ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」の映画版のような作品。
また、男と女の「今への所在感覚」の濃度の違いを強く感じさせられる。