柏エシディシ

マザー!の柏エシディシのレビュー・感想・評価

マザー!(2017年製作の映画)
3.0
日本では劇場公開されず、賛否分かれる(というより、どちらかというと悪評の目立つ)作品という事で、なかなか重い腰が上がらなかったんだけど、よーやく。
(発表当時はめちゃくちゃ観たかった作品だったんだけれど、さもありなん)
もっと判り難い作品を予想していたのだけれど、おっそろしく判りやすい映画だったw
兄が弟を殺した辺りから、ハイハイ、と。なのであとの展開は想定の範囲内。円環を成す結末も。
且つ、ジェニファー・ローレンスとハビエル・バルデムの関係がモロ、当時恋仲だったジェニローと監督自身の関係を思わせ、やたらと艶めかしく撮られて、しかも劇中、あるゆる方法で精神的肉体的に虐待されるモノだから、そっち方面の"判りやすさ"も含めて、気まずくなるし、不快度指数が高い映画。
これは評判悪くなる。
しかもアレをモロ見せしたのは、欧米の方が厳しい筈(自分はWOWOWの放送版の録画を観たのだけれどボカシが入っていた)
胸くそ映画の代表の様な「レクイエムフォードリーム」をある意味越えてきている。
と、ここまで書きつつ自分はどうであったかというと、冷静に観られるぐらいには喰らわなかった。
時間が経ってから観た所為もあるけれど。
それよりも、自分たちの欲求のままに、「我が家」を蹂躙する"人間"たちの浅ましさ醜さを徹底して描写する作り手の怒りみたいなものには同調してしまっている自分がいた。
思わず、「こんな愚かな人間たちは生き延びる価値があるのだろうか」など、と。
気が滅入るニュースばかりでついつい考えてしまってるモンだから。いっそ滅んでしまえばい、良い。なんて。
アブナイアブナイ。
柏エシディシ

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