そういえば見てなかった! 当時この映画の情報出たとき誰が見るんこんなんと思ってました笑
でもこんだけ映画見てくるともうこういう頭おかしい映画が大好きになってくる。
ラース・フォン・トリアー監督は知性としてはずば抜けてる監督さんですよね。奇抜すぎるセンスはもちろんのこと。
昔は単に鬱病の投影としてしかこの監督さんの作品は消化してこなかったけど。
ズーッと誰かと一対一でものすごく抽象的な話を全編してるんだけど、いやお前誰なんだよとずっと思ってました笑
初めて殺人を犯した時の女の人がこちらの好意に甘えてる癖に、あなた殺人鬼みたいよね、っていう冗談なのか何なのかわからない発言から始まって、何故か道中ずっと殺人鬼の話してるの笑う。
最初の内は殺人全く慣れてなくて、急に独身中年女性のところ訪ねて、警察なんですけども、と言って色々説明するもどう言おうと手帳見せての連打で、諦めて実は私保険員なんですとか無茶苦茶すぎる。
結構何度も何度もピンチに陥るけど、奇跡的に免れることも多かった。というか見つかるのをそもそも恐れてない感じ。
俺があたおかなのかもだけど、基本的にフィクションの連続殺人鬼ものはエンタメだと思ってる。
でもこの映画に関しちゃ、途中から、何を言ってるんだこいつは…?ってなってくる。
終始行われる謎の男との対話も殺人を芸術として昇華しようとする発言とそれを否定する会話の繰り返し、また膨大な知識の引用で成り立っているのでかなり難解。
こいつエリート建築士とか言ってるけど、仕事なんていつしてんの?ってぐらいずっと人殺してる。
この作品はシチュエーションのバリエーションの多さと謎のユーモアでできていて、飽きずに見られる。
あの死体を安置している冷凍庫の横のドアがどうやっても開かなくてキレてる主人公に笑う。てか主人公は独特な利用でキレるのでそれもまた面白い。
エピローグは死というものの本質を見せる映像美にただただ圧倒されました。良い映画でした。
本当はこんな感想が書きたかった訳ではなかったなー…