悪魔の毒々クチビル

アンデッド刑事<デカ> 野獣捜査線の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

3.0
お前はここでくたばる権利がある

退廃した街に巣食う悪をクン○ニが異常に上手い(あと不死身)刑事が始末していくお話。


グラフィックノベル原作のバイオレンスアクション映画です。
そして監督は皆大好きなメタルバンドSlipknotのパーカッション&盛り上げ担当ショーン・クラハンです。
悪がのさぼり尽くした街を舞台に過激な正義で駆逐していく感じは「ホーボー・ウィズ・ショットガン」を彷彿とさせるかと思いますが、そっちのようなApproaching Original Violenceな作風を期待するのは止めておいた方が良いかも。
確かにバイオレンスだしPeople=Shit!と言わんばかりに人が続々死んで行きますが、そんなにAll Hope is Goneな厭世感もなければ(sic)な世界観って訳でもないです。

SnuffシーンはCG混じりではありますが、四肢や頭が吹き飛んだりと悪くはないです。
ただシンプルに撃ちまくる、殴りまくるだけのアクションが殆どなのでそこまで見応えはなかったのが残念。
目玉グシャっとやってEyeless状態にさせる所が一番良かったですかね。
あと武器のWマグナムは格好良かったです。

キャラクターに関しては主人公のダウンだけでなく、新米警官のゲーブル視点でもガッツリ描いてしまっていて、かなりダウンの存在感が薄れていたのがイマイチでした。
その割にこの二人が正義の見方で意見をSpit it Outしていきながらバディになっていくのかと思いきや、そうでもないし。
ゲーブル君、魅力無かったなぁ。周りの警官からも最初は全然Welcomeされなかったし。

ダウンも自己再生が出来るって訳でなく、ちゃんとNo Lifeになった死体を署に持って帰って専用の機械で蘇生して貰わなきゃ行けない面倒な仕様なんだけど、蘇生する度に魂が削られているらしいです。そこら辺の苦悩も滅茶苦茶中途半端でしたね。不死が逆にMy Plagueとなっているのは勘づいていたっぽいけど。
それと他の警官から嫌われていた、というか気味悪がられていたんだけどI am Hatedな自覚とかあったんかな。

終盤拐われたダウンを遠隔蘇生させようと試みる場面では、敵に痛めつけられてただWait and BleedしてEverything Endsなダウンや周りの敵達が青く映っていたんだけど何か意味あったのかしら。

逆に敵キャラは中国語を話す黒人の禅マスターとか、ゴリゴリに武装したUnsaintedなシスター軍団とか、鹿の剥製の如く殺した人間の頭部をズラーっと飾っている動物ヘッドトリオとか個性的な面子が多かったです。
ただこれまたあんまり印象的な活躍は特に……
下ネタは無駄に強烈だったけど。

因みに動物ヘッドトリオの内、ライオン頭がショーン、禿鷹頭がパーカッション&バックコーラス担当のクリス・フェーン。
恐らくラストに出てきたThe Namelessなチンピラの一人がターンテーブル担当のシド・ウィルソン。
そして序盤に出てくる麻薬製造工場のボス、ヘッドケース・ハリー役にvo.のコリィ・テイラーとちょいちょいSlipknotのメンバーが出ていてファンとしては楽しいです。今となってはクリスはもう脱退しちゃったけど。
コリィはハイテンションだけど小心者というか、精神的にすぐ追い詰められちゃうボスを好演していて一番良かったです。まぁ俺が単純に好きなだけかもしれんけど。
でもコリィってSlipknot、Stone Sour、そしてソロアルバムと各々異なったスタイルのバンド、プロジェクトでvo.こなして演技も良くて自伝も出版したりと器用じゃあありませんか。
これもしかしたらショーンじゃなくてコリィが監督した方が面白かったんじゃね?とか一瞬思ったり。

せめて掘り下げるキャラをダウンに絞ったり、もっとCGで誤魔化さずド派手な残酷シーンが作れればコアなファンは獲得出来たかもしれません。
蘇生シーンも地味だったので、もう少しBirth of the Cruelな鬼刑事の復活シーンも欲しかったです。
平均点は恐ろしく低いですが、これより酷い映画も沢山観てきたのでそこまで最悪だとも思いませんでした。しかしながら面白いとまでは言えなかったので、今作に対する姿勢はThe Nagative Oneではあります。
少し経ったら俺の心の中のDead Memoriesの一部となりそうだったので忘れる前に感想を書いておきました。Goodbye.