千年女優

オールド・ボーイの千年女優のレビュー・感想・評価

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)
3.5
四歳になる娘と妻を持つ平凡な男ながら、1988年のある日に何者かによって誘拐された後、理由を聞かされぬまま15年もの間監禁生活を余儀なくされたオ・デス。解放時にも説明はなされないままで怒りから復讐を誓った彼が、偶然知り合った若い女性ミドと共に奔走する日々を描いた日本の同名漫画を原作とするパク・チャヌク監督作品です。

鬼の形相でハンマーを振り回しながら復讐を遂げるオ・デスの姿が印象に残る、原作・土屋ガロン/作画・嶺岸信明の漫画を原作とした韓国スリラー映画で、ハリウッドのスリラーとはまた異なる独特な雰囲気がタランティーノに絶賛されて米国でもヒットして後にスパイク・リーがリメイクも手掛けるなどワールドワイドな作品になりました。

止まった時間を動かすために真相に迫るという原作のキャッチーな設定を活かし、それを韓国ノワールの虚無的で退廃的な雰囲気の演出で展開させる物語は推進力十分でぐいぐいと引き込まれていきます。肝心の真相自体がやや拍子抜けしてしまうほどにスケールが小さいという難点はあるものの、衝撃の展開に驚かされる力強い犯罪映画です。
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