ファンタジーと言えどもここまで辻褄が合わないとかなりストレスが溜まる。落としどころも意味不明で消化不良という作品。
「猫が人に見える」というワードにひかれてみてしまったが、ガッカリした。
まず「ネコが人に見える」のではなくて「猫に乗り移った人の姿が見えるが」正しい。
なので猫のキャラが安定しない。猫の行動が人間っぽいわけでもなく、でも人の霊はなぜか魚を食ったり猫としての気持ちを代弁してるし。
まぁ、メインはロマンスにあるようなので、ここら辺の描写がいい加減なのはしょうがないのかもしれないが、ファンタジーとしては崩壊している。
ストーリー展開もご都合主義。母が猫に乗り移っていることが分かったヒロインのその後の対応をすっ飛ばしているのは、描きようが無いからだろう。
二度母を失う悲しみは一切描けていない。
主人公が実は猫であるという美味しい設定も全く活きていない。
一般受けを狙ったストーリーなので猫を目当てに観た「猫愛」に生きる人には物足りない内容だろう。
そしてオチが理解できない。
寿司屋の大将に似た人は何だったの?来たことがあるとか言うフリは何だったの?
愛するペットが無くなるという、いくらでも泣きの演出が出来る所を捨ててロマンスに走ったのが敗因という作品。
「猫愛」に生きる人に向けた内容に振ったほうが良い作品になった気がする。
余談。
主人公が、実は亡くなった猫ナビの魂が宿っていて、そのために猫に乗り移った人の姿が見えるという設定。
おい、ちょっと待て。じゃ、もともとの主人公の魂はどこ行っちゃったの?猫ナビが追いだしたって事でしょ。
ってことで実は本作、猫の怨念で殺されて、その体を乗っ取られたホラー映画でしたとさ。