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日々と雲行きのmumbleboyのレビュー・感想・評価

日々と雲行き(2007年製作の映画)
3.7
まあまあしんどい映画でした。悪く言ってるのではなくそういう内容なのでむしろしんどいと受け止めるのも当然かなと思いました。言ってみれば「わたしは、ダニエル・ブレイク」の様に厳しい状況に置かれた人を描いてる映画です。ただ「ダニエル・ブレイク」は行政や社会の仕組みが人を不幸に至らしめているという社会派作品ですが今作は色々な状況が重なって元々は富裕層だった夫婦が貧困に陥ってしまう様を描いています。今作では夫のミケーレが共同経営者と仲違いで会社を追い出されたあとに妻のエルサにその事実を伝えられずにいて伝えたあとも現実に向き合えずことごとく間違った選択をとりどんどんと状況が悪化していきます。端から見ている我々には彼がもっと早く現実を把握していればここまで落ちずに済んだのが明確にわかりますが当事者にはそういう余裕はなくただただ翻弄されるがままに。ヒューマンドラマはさておき、舞台となっている街、ジェノヴァはおそろしく味のある街ですね。地形とかなり古そうな建物が立ち並ぶ町並みがすごくユニークでフォトジェニックな雰囲気を重し出してます。今までジェノヴァがどういった場所とか全く知らずに生きてきましたけど又イタリアに行くことがあったら行ってみたいと思いました。アマプラのジャケットからはもっとほっこりした作品を予想したのですがちょっと喰らうタイプの映画でした。重い内容と美しい古い街の風景とあいまって中々食べ応えのある作品でした。
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