けん

最低。のけんのレビュー・感想・評価

最低。(2017年製作の映画)
3.5
監督 瀬々 敬久(譲られなかった者たちへ)
原作 紗倉まな

もし自分が女だったらAV女優になるか?と考えてみたら、たぶんならない。なぜなら、自分うんぬんよりも、周囲に迷惑をかけてしまうからだ。

好奇の目線や卑下する言葉が、自分の家族・親戚に向けられるのが耐えられない。

でも、僕の周りにもAV女優になった女子が3人いる。元カノ、同僚、お客さん。みんな、明るくて性格はいい。そして、みんなそこそこ売れた。

デビューを知った時は驚愕だった。

でも、僕が想像し得るハードルを軽く越えて、自分の居場所を見つけたと言わんばかりの彼女達には、僕は後にリスペクトすら感じるようになった。

なんで、AV女優になったの?と聞くと、お金に決まってるじゃん、と答えてくるけど、たぶん別の何かが彼女たちの背中を押したんだと思う。それが何かは教えてもらえないけど。

どの女優陣もすばらしい演技と自然光と影を絶妙に使った絵作り、そして原作が紗倉まなだからか、ドキュメンタリーを観ている感覚に陥ったんだ。
けん

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