赤線地帯で働く女性一人一人にフォーカスを当てており、いわばアングラな世界で働かなくてはならない、このならない理由が凝縮されている作品であった。数人いる女性の中で、無数の輝きをもつのは若尾文子であるの…
>>続きを読む売春防止法制定前後の赤線地帯で繰り広げられる、娼婦たちの群像劇。
複数のステークホルダーが入り乱れることで、搾取でありながら労働であり、ある一面においてはセーフティネットであり、高給取りでありながら…
騙す騙されるの世界に人の数だけドラマあり…どうやってそこから這い上がるか
主人公2人の関係性から、男のクソさが全面に出るように際立っていた『祇園囃子』とは違う方法論で、けど根幹は同じ一貫したテーマ…
黒澤明、小津安二郎と並び称される溝口健二を本作で初めて観る。
シェイクスピアやギリシア喜劇のような、人間の交錯によって生まれる力動を感じる。貧困の中で逞しく生きる女たち。
坂口安吾が堕落論の中で、「…
人物の配置、運動が巧みである視覚的な点、会話の面白さ、劇伴という聴覚的な点どちらも優れていてしみじみと面白さを味わい、惚れ惚れする。
生きていく上で仕事は必要であり、そこには当然人がいて関わりが生…
世界の溝口の遺作。どれぐらい世界かというと、影響を受けた明言する監督としてゴダール、アンゲロプロス、タルコフスキー、エリセ、ベルトルッチ、スコセッシにアリアスターとまあとてつもなくとんでもない名前が…
>>続きを読む《女》を撮ることに定評のある溝口健二。今までの作品よりも多くの女の生き様にフォーカスした本作は彼の遺作として相応しいものだと思った。普段の作品では長回しを多用するが、赤線地帯では動きのあるカメラワー…
>>続きを読む溝口健二監督の遺作。
売春防止法制定前夜の社会を映し出した作品。(公布されたのは1956年5月24日で、映画上映開始は同年3月18日)
戦後半ば公認で売春が行われていた”赤線地帯”が舞台。特殊飲…
©KADOKAWA1956