台詞の一言一言、連なるエピソードの一つ一つに、今の邦画に足りない哀しさと味わいがあった。生きることの辛さ、絶望と諦観、人間関係の光と影を見事に描き出していた。
首を吊ろうとした旦那を引き下ろし、子…
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溝口の遺作だけど、これは凄い!
売春防止法が公布された昭和31年の吉原を舞台に、したたかに男を騙して儲けるやすみ(若尾文子)、病気の旦那と子供を養うハナエ(木暮実千代)、結婚に憧れるより江(町田康…
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やはり溝口作品は苦手だ。どの作品においても女性が悲劇の主人公に仕立て上げられてしまう。確かに時代背景を考えれば、そのほうがリアルなのかもしれないが、それがどうもわたしには許容できないのである。
そ…
吉原の「夢の里」を舞台に、様々な女性が描かれている。
お金に目がない、店No1のやすみ。
病気の夫と幼い子供を抱えるハナエ。
年頃の息子と離れて暮らすゆめ子。
浪費癖のある勝ち気なミッキー。
結婚に…
溝口監督の遺作。売春防止法に揺らぐ赤線地帯、その商売から抜け出せない女達のむきだしな生き様。短い人生、辛い思いをするならズル賢く生きた方が勝ちなのかも…8等身やで京マチ子!あまりに庶民的な木暮実千代…
>>続きを読む無念の早逝だっただろうが、本作は溝口の遺作として完璧な気がするね
全てが元サヤかあるいは破綻かと思いきや、一枚上手のあややだけは脱出して、代わりに無垢な九州娘が赤線へ
ラストシーンでしず子の妙に大き…
舞台は売春防止法発令長前、終焉期の吉原の売春宿。溝口監督の女性像を上手くキャッチしたキャラ設定、そしてピタッとはまる女優陣。演技合戦を見ているようで楽しすぎ…!
サウンド(天才!)も含め、全員神業。…
時は、売春防止法が成立される以前の1950年代。
警察犯処罰令が1948年に廃止され、売春行為を処罰対象とする法的根拠が失われていた時代が存在していた。
国家が売春を半ば黙認していた時期と言えよう。…
終盤、次々と壊れていく女たちと利口に生きる者と苦しむ者そして、そこに参入する者を一気に見せていく手腕に驚愕した。女将と主人の狡猾さ。女性が揃った時のそれぞれの身のこなしを捉えた力あるショットと切れ味…
>>続きを読む©KADOKAWA1956