せん

赤線地帯のせんのレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
4.5
2022年ラスト映画🎞
とても良かった。

登場する娼婦たちはみな色々な事情を抱えて生きているけど、どこかさっぱりしていて重苦しくない。ただ時々、セリフや表情からそれぞれが抱える苦しみや葛藤、過去が顔を覗かせて、見ていて彼女たちが生きてきた人生について想像を掻き立てられる。
「売春防止法」、劇中では女性の人権擁護や女性を守るためのもの〜みたいな感じで語られていましたが、そもそも売春しないと生きていけない人が出てくる社会の方の方が問題な気がしてならない。「子供のミルク1つ思うように買えなくて、何が文化国家よ!」という台詞がものすごく印象的だった。
私はそんななかでなんだかんだ逞しく生きていく彼女たちの姿に魅力を感じてるのかも。

俳優陣やキャラクターもみんな素晴らしい。
個人的には京マチ子が好き。羅生門から惹きつけられてきたけど、やっぱり素敵な女優さんだなぁ。エキゾチックな見た目にカラッとした不良娘役がお似合い。「8頭身や」で笑った。

ラストの少女のまだピュアそうな感じ、遠慮がちな声がまた良かったな〜彼女がその後どうなっていくのかもまた想像してなんだかゾワゾワしました。
せん

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