無念の早逝だっただろうが、本作は溝口の遺作として完璧な気がするね
全てが元サヤかあるいは破綻かと思いきや、一枚上手のあややだけは脱出して、代わりに無垢な九州娘が赤線へ
ラストシーンでしず子の妙に大きな瞳が泳ぐのを見ると胸が痛かった
母ものの三益愛子にこの役をやらせるというだけでまず意味がある
むごいけど、息子の気持ちも分かるというか…田舎でパンパンの息子と揶揄され続ける日々がどんなに辛いだろうか
若尾文子は祇園囃子の頃の初々しさから一気に脱皮した印象。さぞかし監督に絞られたんだろうなあ
京マチ子の「うちはヴィーナスや!」が愛らしくも悲しくもある