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アトミック・ブロンドのArbuthのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
4.3
ウーマンアクション映画の金字塔!
『ニキータ』『ルーシー』『ハンナ』『悪女』などなど最強ウーマンが無双する映画は数あれど、これが今のところ一番かもしれない。

シャーリーズ・セロン演じるロレーンの有無を言わせない美貌と身体を張った殺陣。超かっこいい&美しい。
なんと言ってもベルリン行進のシーンでの肉弾戦。7分以上の長回しワンカット、BGM無しで銃声や殴り合いの音だけが響く。圧巻。

派手なバイオレンスアクションだけでなく、智謀知略、権謀術数蠢く心理戦も味わえて退屈しない。なんだか一粒で二度美味しい感じ。
MI6だCIAだKGBだと色々出てくるので人間関係や国の関係を把握するのがまず大変だったけど、お陰で勉強しようという気になれました。

殊更イカすのはマカヴォイ演じるパーシヴァル。
凄腕で頼もしいはずの味方なのに気の許せないミステリアスな立ち位置。マカヴォイならではのアブない感じが絶妙なキャラ。
エディ・サーマンと仲良く共演してることも相まって、同じくマカヴォイが演じた『フィルス』のブルース刑事を思い出させる。

作中のBGMも良かった。
80年代ポップスが、ファッションや街中のネオンなど作品全体のポップでサイケでパンクな雰囲気に奇妙に合ってた。冷戦期のベルリンってこんなにイカした街だったんだ…って気にさせられる。


余談。これを観たあと読んだ『スパイ事典』という本はすごくためになったし、この作品の理解の助けになった。
英国には国内諜報機関のMI5と国際諜報機関のMI6があるとか、“C”とはMI6長官の愛称であるとか、冷戦時代のベルリンは世界各国(特にイギリスMI6とソ連KGB)の諜報活動が最も盛んに行われた場所だった、とかとか。
先に読んでから観たかったな。
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