かげぐち

最初に父が殺されたのかげぐちのレビュー・感想・評価

最初に父が殺された(2017年製作の映画)
3.7
カンボジア旅行の往復路の飛行機で鑑賞。
クメール・ルージュ支配下でのカンボジア大虐殺時代、とある富裕層家族にふりかかる悲劇。クメール・ルージュ関連の記事やWikipediaは読み込んでいたつもりだが、こうしたミクロ視点での回想録をそれなりのクオリティの映像作品におとこしこんだのはなかなか意義のあることだと思う。クメール語で製作されてるのも評価できる。アンジェリーナ・ジョリーが監督。

終盤少しだれるが全体的に感傷的すきずエンタメ的グロにも振り切らず、説教臭くもないのが良い。
強制労働キャンプで虫を焼いて食べるシーン、兄妹喧嘩で父に優しく諌められるシーンが特にグッと来る。序盤のプノンペン占拠から地方農村への移動が最もしんどく描かれており、切ない。その後は感覚が麻痺していくのか、生きるためか、悲しみも怒りもある程度のものとして均一化されていく様を追体験できる。