じゅんじゅん

最初に父が殺されたのじゅんじゅんのレビュー・感想・評価

最初に父が殺された(2017年製作の映画)
3.4
あの時代、あの国に生きていたというだけで、ここまで過酷な目に遭わなければいけない、理不尽さをとことん感じる映画でした。

もともと都市生活を謳歌していた少女の目線で、無理やり農村で自給自足の生活を強いられ、飢えと闘いつつ家族が殺されていき、兵士として洗脳されていく。
まだ自我の発達段階にある子供にとって、いったいどれくらいのトラウマやPTSDを植え付けるのか。

ポルポトや共産主義がクソなのは勿論だが、カンボジアに今でも被害を与えるほどの爆弾を投下した米軍にも責任がある。結局のところ大国のエゴ丸出しの国際社会は助けてくれず、圧政の犠牲者はいつの時代も非力な一般庶民なのである。

今も途上国ではこのような境遇におかれた家族や少年少女が無数にいると思うと胸が痛むと同時に、先進国という安全圏からこのコメントをする自分も、言葉で強く非難しようがイチ傍観者でしかない。