ミモ

最初に父が殺されたのミモのレビュー・感想・評価

最初に父が殺された(2017年製作の映画)
2.0
カンボジアの裕福だった少女が、クメールルージュによって住んでいた家を追われ、家族も散り散りになり、田舎で畑仕事をさせられたり、軍隊に入って地雷を埋めさせられたりする、実際に体験した人の手記を元にアンジェリーナジョリーが監督で作られた映画。
台詞は少なく、少女目線で始終描かれているので、視聴者もまた理由もわからないまま、ただ彼女が転々と居場所を追われて、移動していく様を見続けることとなる。
強制移動させられている理由も、家族が次々と殺される理由も、誰が敵で誰が味方なのかもわからない。
たしかにその悲惨さは十分に伝わってくるのだけど、「あとは見終わった後に自分で調べて」と突き放してしまうのは、戦争を記録する映画としてはイマイチかなと思ってしまう部分だった。映画の中では最後まで何が起こってるのか伝わらない。それが「少女目線だから」というのは理解できるが、もう少し最後だけでも歴史部分の補足があった方が、視聴者にカンボジアの悲惨な歴史を知ってもらえたと思う。

ただ、映像は美しかったし、少女の目を通した戦争の悲惨さはリアリティーがあった。
ミモ

ミモ