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ブーベの恋人のかずシネマのレビュー・感想・評価

ブーベの恋人(1963年製作の映画)
3.6
時に我儘も言う世間知らずな田舎の娘だったのに、すっかり大人になって。。
この作品の見どころは恋愛よりも主人公である彼女の成長と思う。

尻上がりに面白くなる作品。
最初はなかなか動きが無いので少し不安になる。
ブーべの出番が無くなる展開が途中で来るんだが、その辺りから作品に動きが出て面白くなる。

極端に暗い画面や登場人物の気持ちを表現した様な役者の顔アップ演出など、印象的なシーンもまずまず出てくる。
暗転はタイミングが微妙だと感じた所もあったが、エピソードの切り替わりがよく分かって良かった。
裁判シーンの彼女が証言をするシーンの演出が好き。緊張、心細さ、不安、恐怖…沢山の事がよく伝わった。

最後の方の表情ってあれかな。
二股を示唆してんのかな。…それは穿りすぎか。
時の流れを感じたってだけならええんやけど。

ブーべもステファノもどうなんだろうか、と個人的には思う。
時代背景的にパルチザンやら逃亡等はともかく、普通に結構他罰的でないか、ブーべ。
「アイツのせいで」と、作中でよく言っている。
そして何事もマーラには決めさせないし。
彼が言う「君がいないと駄目なんだ」的な事も、漢前な性質の人が言うそれではなく情緒が不安定なニュアンスだし。
ステファノはステファノで、自分の中の確固たる理想があって、それが高い。
出会ったばかりのタイミングでマーラへ元カノの悪口を言うってモラハラ的な意味での地雷臭がする。
てか、この人はあまりマーラの中身を見ていない様に感じた。


他の作品ではそんな風に思わなかったんだが、このクラウディア・カルディナーレが自分の友人と顔がよく似ていた。
特に少し左右のどちらかに振っている顔が。
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