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KUSOのGTのレビュー・感想・評価

KUSO(2017年製作の映画)
3.9
 「カルト映画」と呼ばれるような映画はそこそこ観てきたつもりだが、ここまで露悪的で悪趣味な映画は初めてだ。
 とにかく汚い。「ピンク・フラミンゴ」が霞んで見えるくらい汚い。初っ端のタイトルコールの時点で大量の蛆、洗礼を浴びさせられる。序盤、イボから出てきた(?)謎の白い液体を舐めるシーンからしてキツいが、これはまだ本の序の口だ。ドブのような色をしたスープを飲む、ゴキブリを食いちぎる、肛門からエイリアンみたいな虫が出てくるなど、どのシーンも絵面が終わっている。
 ただ、映画全体の雰囲気としては意外と明るいし、笑えるシーンもたくさんある。間抜けな効果音が場違いに多用されたり(なぜか「GTA」や「モータルコンバット」の効果音が使われていた)、しょうもない展開になったり(首にできた出来物にフェラさせるシーンはあまりにも下らない)、時々普通に面白いのがズルい。ちなみにストーリーは無いに等しく(一応地震が起き、地下に埋まっていた核廃棄物の影響で人々の体がおかしくなったという設定はあるらしい)、強烈で意味不明な展開を見せられるこの感じは「イレイザー・ヘッド」なんかを思い出させる。意外とスローなテンポで話が進むのも、なんとなく似ている感じだ。
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