爆裂BOX

ブラッディ・ホワイト 白の襲撃者たちの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.5
ジャケットや粗筋は完全に病院を舞台にナース主人公で銃ぶっぱなすガン・アクションに見えますが、実際はサスペンス・アクション風オカルト・ミステリーといった感じの作品です。ドラマ版「リーサル・ウェポン」でリッグスを演じたクレイン・クロフォードが主人公を演じてます。
1999年のアトランタで、病院で起こった大規模な爆破事件を調べていた刑事ウェールズは怪しい男を見つけ追うも二度目の爆発に巻き込まれる。病院のベッドで目を覚まし、異様な静けさの病院内で警備員のピーターと遭遇するも、何者かの銃撃を受けて負傷。後を追ったウェールズも襲われて昏倒してしまう。意識を取り戻したウェールズの前に現れたナースは「ピーターは永眠した」というも、その後突然銃弾を浴びせかけてくるというストーリーです。
爆破事件に巻き込まれ、病院で目覚めた主人公は人気が無く静かな病院内で警部やナースや警備員と出会いますが、その合間に病院内にいる人が救急隊員姿の男に襲われて殺されていくので「スラッシャーか!?」と思わせますが、主人公が爆発に巻き込まれる前の記憶を頼りに爆破犯を突き止めようとしたり、病院内を彷徨う怪音を発する黒い人影目撃したり、爆破犯でもある病院内で人を襲う謎の男ダニエルの仲間となったナースたちが襲い掛かってきたりとどういうジャンルの映画か分からなくなってくるような展開が続きます。しかしナースたちが銃撃してくるの少ししかないのにそこをピックアップしてガン・アクションとして売り出すのは悪意すら感じますね。
警部と病院の礼拝室前にいる男女が妙に宗教的な会話してたり、ダニエルも自分を神の使いだと言ったり宗教的な事ばっかり言うので「これ、主人公が死んでるオチだろうな」と思ってたら、中盤位でそれを明かすのは意外でしたし、そこからの展開もちょっと意外ではありました。特に度々主人公達の前に現れる黒い人影の正体は「なるほど」っと思いました。主人公の物語の裏側では、廃病院に来た超常現象調査団が悪霊に襲われて次々殺されていくという「グレイヴ・エンカウンターズ」みたいな物語が繰り広げられていたという所は面白いですね。後半では心霊ホラーみたいなシーンも出てきます。
「贖罪できる最後の場所」ということであの病院は煉獄のような所だろうけど、そこで無神論者を襲って仲間に引き込むダニエルの目的がイマイチわからなかったですね。本人は狂信者という感じで、神の為に行っていると本人は確信してたけど、本人はそのつもりで悪の手先になっていたという事かな。
ダニエルが中々ムカつく感じだっただけに、主人公によって足刺されたり指切り落とされる拷問受ける所はちょっとスカッとしました。拷問され始めたら「助けてくれ」とか「家に帰りたい」と言い出すのは小者感溢れてました。ゴア描写としてはダニエルに捕まった黒人が舌切られる所くらいか。
共犯者の件もきっちり決着つけて終わったのは良かったですね。しかし感動的にしめてたけどあの後主人公はどうなったんだろ?ずっと拷問続けてるのかな。
このジャケットからアクション映画期待すると(それ期待するに決まってますが)「なんだこりゃ!?」となると思いますが、スピリチュアルサスペンスとしては割と新しい視点で描かれてて楽しめました。