このレビューはネタバレを含みます
見たのは今回で恐らく3回目。
ストーリーも覚えてるのに、何度見ても見入ってしまうのはなぜだろう。
おそらく、迫りくるタイムリミット、ストーリーのテンポのよさ、そして、リーアム・ニーソンのアクションに見入ってしまうからなんだろうと思ってた。
今回、改めて見て人物像の描き方が作品の深みに貢献しているように思う。
ひとつは、船内での戦闘中にガラスを割って相手の懐に入るシーン。早い展開の中でのワンシーンに見えるが、一瞬の出来事のなかでニーサムが得意な接近戦に持ち込むことにより相手の火力で不利にならないように立ち回っていることが描かれていたように思った。
もうひとつは空港で元妻の再婚相手の車で娘が家に帰るシーン。窓ガラス越しにうつるニーソンの指を小刻みに動かして娘を見送るときの緩やかな表情が泣ける。パリで躊躇いなく元同僚の奥さんにも引き金のを引き抜く凶暴さと裏腹に、娘キムのために引退した優しい父親をよく描いている。
ラストシーンは、伏線回収型のハッピーエンドだった。これがまた気持ちいい。
序盤で警護した歌姫からの誘いで、ニーサムは歌手を目指す娘をボーカルトーナーのところに連れて行く。
娘が感激する最高の機会がつくれたことで誇らしげなニーサムパパを見てるとこちらも嬉しい気持ちになってくる。元嫁のよくできた再婚相手よりも、自分のほうがいいところを娘に見せてあげたい作品を作った人たちのおまけ心。