HAYATO

あしたは最高のはじまりのHAYATOのレビュー・感想・評価

あしたは最高のはじまり(2016年製作の映画)
4.1
2024年175本目
突然父になったプレイボーイが子育てに奮闘
『最強のふたり』のオマール・シーを主演に迎えたメキシコ映画『Instructions Not Included』(「説明書無し」の意)のリメイク
南仏コートダジュールで独身生活を謳歌するサミュエルのもとに、クリスティンと名乗る女性が現れ、サミュエルの娘だという赤ん坊・グロリアを彼のもとに残し、姿を消してしまう。慌てたサミュエルはクリスティンを追ってロンドンへ飛ぶが、異国の地で彼女を見つけることはできず途方に暮れていた。そんなサミュエルを救ったのは、地下鉄で出会ったゲイのベルニーだった。それから8年後、すっかり家族となった3人の前に、グロリアの母・クリスティンが現われる。
グロリア役のグロリア・コルストンのほか、『TENET テネット』のクレマンス・ポエジー、『人生、ブロバー!』のアントワーヌ・ベルトランらが出演。
原題の「Demain Tout Commence」は、「明日は新しい一日」という意味で、元々は哲学者・ガストン・バシュラールの言葉。ユーゴ・ジェラン監督の祖母で女優でもあったダニエル・ドロルムがよく口にしており、彼女が息子(ジェランの父で俳優のグザヴィエ・ジェラン)を亡くす辛い体験をした後も、絶望することなく人生を送ったということに基づきタイトルに選ばれたそうだ。
『X-MEN: フューチャー&パスト』や『ジュラシック・ワールド』、『インフェルノ』、『トランスフォーマー/最後の騎士王』などハリウッドの大作にも活躍の場を広げているオマール・シーが主演するフランス映画。彼はやっぱり底抜けに明るい役柄がよく似合う。どんな時も前向きに、楽しく、元気に生きるサミュエルの父親としてのあり方は素晴らしい。合成写真はやりすぎ感あるけど。
グロリアを演じたグロリア・コルストンの笑顔もチャーミングで、オマール・シーとの掛け合いは息ぴったり。こんな親子憧れるなと思わせてくれた。
ロンドンの国際色豊かで色とりどりな風景は、本作において幸せオーラを醸し出す重要な要素の1つ。特に、サミュエルとグロリアが住むアパートは、まるでディズニーホテルのように遊び心で溢れていて、毎日の生活が楽しそう。そのデザインはトム・ハンクス主演の映画『ビッグ』を参考にしているというのも納得だ。彼らのカラフルで賑やかな日常がずっと続けばいいのにと思わずにはいられなかった。
HAYATO

HAYATO