最低で最高!最低で最高!
ドン底で生きてる人間の発する熱量に泣きそうになる。
NTLで映画化してくれてありがとう🙏
20年代ドイツの作品だけあって、描かれる世界はめちゃくちゃ貧乏で絶望的。
秩序なんてあってないような社会で、登場人物は殺人犯、ギャング、乞食、売春婦……とクズばかり。
中でも主人公マックは完全なクズ。
しかし、劇中の女も男もこの主人公に惚れて人生を狂わされているのである。
観客まで惚れさせてしまう主演ロリー・キニアの演技は本当にすごかった。
とにかく刺さるセリフが多い。
初演は90年近く前の作品だが、描かれている世界も音楽も色褪せない。
この作品を今やった意味も大きいと思う。
特にこのNTL版で好きだったのは、人種も性別もハンディキャップもまるっと無視したキャスティング。
当時のドイツを調べて取り入れたという異性装もよかった。
『三文オペラ』はクソみたいな社会への絶望を、上流階級が好む“オペラ”で表現した喜劇。
そのコミカルな物語の裏にある巨大な絶望や皮肉に、観ていてゾクゾクさせられる。
DVD化はしないそうなので劇場で是非!