テアトル新宿 劇場① D-11
(この目線好き!でも、前の人の頭が気になった)
入江悠監督 脚本作品。
鑑賞後のマイナスな気持ちがしばらく残る重たい作品。
土地、血、人生について考えさせられた。
ファーストシーンから世界に引きずり込まれる感覚。
「太陽」を観た時もそんなだったような。。。
三兄弟が受けた父親からの折檻も、目を覆いたくなる様な描写で凄まじい。
また、土地に入ってきた中国人と自警団の争い。
やられたらやり返すの連鎖がなんとも重たい気持ちにさせられた。
個人的に一番この映画で印象的だったのは、
三兄弟の三者三様の人生。
長男一郎を演じた大森南朋
30年前に出て行ったのにも関わらず、父親の血を引き継いでいることが明らかな狂気。
「靴を脱げ」の件は、オーラがすごいと思った。
祖父が手に入れた土地への想いを三郎に告げるシーンは、セリフは少ないのに一郎の長男ぽさが滲み出てる。
立ってるだけで絵になるなぁ。
次男二郎は鈴木浩介
三兄弟の次男って、器用な人が多いという個人的な先入観があるのが前提なのだけど、
父親を刺したのはお前だと三郎に告げる件は、したたかな奴だな!!!と感じた。
二郎は頼りなさげで翻弄されてる様に見えるだけど、実はそうではないと思えるシーンだった。
三男三郎に桐谷健太
個人的にそんなに好きなわけではないんだけど、珍しくクールな表情がカッコ良いと思った。
一見クールだが、デリヘル店長の人情あるキャラクターは彼が演じたからこそ成立している。
兄達に話をしようと呼びかける芝居には、末っ子っぽさも垣間見られた。
焼肉屋で負傷する姿が今でも脳裏をよぎる。
このシーンが一番嫌で長く感じたが、あの演技は気分が悪い。
キャストでいうと、個人的に一番印象に残ったのが二郎の妻美希を演じた篠田麻里子。
二郎を内助の功で支える姿は、本当に政治家の妻に見えた。夫の権利を守る為には手段を選ばない、気迫を感じる芝居が印象に残った。
確実に女優としてステップアップしてると思う。
こうやって振り返ると、
また観たいなぁと思える作品。