さむ

空飛ぶタイヤのさむのレビュー・感想・評価

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)
4.0
6月15日公開初日鑑賞。
「空飛ぶタイヤ」というタイトルのダブルミーニング。
ひとつは本当に空を飛んでしまった凶器となったタイヤ。
そしてもうひとつは、組織という車体を支え、地べたを走り続け、空を飛んでしまったタイヤたち。

脇を固める役者たちが本当に素晴らしい。
運転手役の毎熊克哉。
杉本を演じた中村蒼。
屈辱に打ちのめされ続けて死んだ目をした佐々木蔵之介。
数秒の出演シーンで客席中に嗚咽をもたらす谷村美月。


組織という車体を支えるタイヤが人格を持ってしまった時、脱輪して空を飛んでしまうタイヤもいれば、車体にしがみついて回り続けるタイヤもいる。

この映画を観て改めて実感するのは、組織という目に見えないバケモノと戦うことは、つまるところ、自分自身と戦うことなのだということ。

赤松(長瀬智也)が、沢田(ディーン・フジオカ)が、井崎(高橋一生)が、それぞれに守ろうとしたものがリアルに描かれていた。
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