鍋レモン

ワイルド・スピード/ジェットブレイクの鍋レモンのレビュー・感想・評価

4.2
⚪概要とあらすじ
メガヒットカーアクション「ワイルド・スピード」シリーズの第9作。ビン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソンらおなじみのメンバーに加え、「ワイルド・スピード ICE BREAK」に登場したシャーリーズ・セロン扮する悪役サイファーや、サン・カンが演じるハンも再登場。さらに新たな敵となるドミニクの弟ジェイコブ役でジョン・シナが参戦。監督には、シリーズ第3作から第6作を手がけたジャスティン・リンが復帰した。

ドミニクはパートナーのレティや幼い息子ブライアンと3人で平穏な日々を過ごしていたが、否応なく自身の過去の罪と向き合うことに。ドミニクの実の弟ジェイコブの存在が初めて明かされ、その因果はファミリーを窮地に追い込んでいく。ファミリーは世界を揺るがす陰謀を阻止するため、凄腕の殺し屋で超一流の運転技術を持つジェイコブとの戦いに身を投じる。

⚪キャッチコピーとセリフ
“空をブチ抜け。”

「お前の影として生きてきた」

⚪感想
ワイスピ9作目。

カーアクション、アクション、シナリオ、演出、キャストどれをとっても最高に刺激的な作品。

ファイナルに向かって過去作品のキャラクターたちが沢山登場していたのが印象的。
ほぼ忘れかけていたキャラクターもいたので観返したい。

ローマンが言っていたように登場人物みんな不死身の可能性が出てくるけどその一件も上手く纏まっていて良かった。
普通の人間なら死んでるシーンが殆どなんだけど有り得なさが逆に面白さに繋がるから凄い。

家族愛、兄弟愛の詰まった一作。

冒頭のトレット家の1989年の物語が凄く良かった。
手に汗握るカーレース。ドミニクの父ジャック・トレット初めての登場に痺れた。
不穏さが凄いけど案の定。一気に引き込まれた。

びっくりしたのがドミニクとジェイコブの若い頃を演じた俳優さんの顔と振る舞いが凄く似ていたこと。ドミニクもジェイコブも成長したらそうなるんだろうなと思う。ドミニクを演じていた俳優さんの表情も上手かったし、ヘンリーネックの白ティーのチョイス本当ドミニク。
十字架のネックレスも良かった。

作品を重ねる度にかっこよくなるドミニクと綺麗になるレティ。映画作品の中でかなり好きな夫婦。
ローマンとテズはワイスピに欠かせない存在。シリアスになりすぎるところに緩さをくれる。
今作かなり輝いていたのがラムジー。アフロより編み込んだヘアスタイルの方がめちゃくちゃ可愛い。トラックの運転最高だったし、テズと一緒にローマンをからかうのが好き。
そして忘れては行けないのはクイーニー。ヘレン・ミレンの流石の運転技術。『RED』での美しさがそのまま引き継がれていた。そういえばトレット家とショウ家ってどっちも三兄弟だ。

ジェイコブの吹き替えの中村悠一さんやアールの吹き替えの下野紘さん、オットーの吹き替えの神谷浩史さんと初期に利用していた芸能人吹き替えをやめて豪華声優陣に徹底していたのも良かった。
エルの吹き替えは本人っぽいからあんまり上手くなかったのが少し残念。

今作観る前にハンの車だと思って買ったトヨタのGRスープラまさかのほぼジェイコブの車で笑ってしまった。

続いて欲しいと思いつつ変な風に伸ばされても嫌だなと思う複雑な感じ。



⚪以下ネタバレ



シナリオはかなり王道。
仲違いした兄弟。理由はやっぱり勘違いというかすれ違いがあったみたい。
重要な鍵を人間+娘にする両親。
死んでたと見せかけて死んでない投稿人物。
などなど。

ポール・ウォーカーが亡くなっていなければといつも思ってしまう。今作だってブライアンの性格ならドミニクが行動に出るなら一緒に戦うはず。リトルBと2人の子どもの面倒を見るのはミアになると思う。でも今回は敵がミアの兄であるジェイコブだったからまぁ譲れなくはないが。
最後の日産のブルーのスカイラインGT-Rの登場は染みる。
ワイスピの物語の中では生きているブライアン、ポール・ウォーカー。

個人的にはハンの登場が熱い。
死んだと思われたハンが予告から既に生きていたと分かった今作、いやデッカードに爆発させられたじゃんと思ったけどふんわりとしたよく分からんマジックで普通に生きていたという。
ハンを生き返させるならジゼルも生き返らせてくれないかな。
ハンは優しい男だからしょうがないし、物語の鍵になっていた女の子だからしょうがないけど知らない女の子連れていてちょっと寂しい。

サイファーは相変わらず悪役に徹していて良かった。
年齢を重ねてもなお美しいシャーリーズ・セロン様。

橋を渡ったり、紐にひっかけて島を飛び越えたり、電磁力?磁石で車を引っつけたりと冒頭から最高だったのに後半に投稿した磁石がいい働きをしていた。何故かドミニクらの使用技術高すぎて以前から使ってましたか疑惑があるけどただただ凄かった。


⚪以下ストーリー(Wikipediaから引用)
1989年、ストックカーレースでのドミニクたちの父であるジャック・トレットの事故死から物語の幕が上がる。

『前作』から5年後。ドミニクは前作で故人となったエレナとの間にできた息子ブライアン(リトルB)の良き父となるべくレティと共に社会からひっそりと身を隠し平穏な毎日を過ごしていた。 そんなある日、ドミニク一家をローマン、テズ、ラムジーが訪れ、ただならぬ様子でドミニク達に動画を見せる。そこにはミスター・ノーバディが何者かに襲撃され、救難信号を送る様子が映し出されていた。

ローマンらの説明によれば、ノーバディはある積荷を空路で輸送していた際、襲撃を受けモンテキントへ墜落。その積荷であるデジタル装置のパーツを回収する任務を受けたが、そこは敵対する軍が支配する地域のため慎重を要するものだった。平穏を望むドミニクは一度は残ることを宣言し、レティのみ出発させるが、息子を寝かしつけ動画を再度見直していたドミニクはある事に気づく。そこにはトレット家の証であるデザインの十字架らしきものが写っていたのだった。これが家族の因縁に繋がるものと確信したドミニクは改めてチームと合流し、モンテキントへと向かう。

墜落した飛行機にはノーバディはおろか誰一人いない様子だった。ドミニク達は不審に思いながらも残骸から積荷の回収に成功するが、直後軍隊に襲われる。地雷原を駆け抜け、国境近くまで辿り着くが新たな勢力の攻撃を受けパーツを落としてしまい、直後に現れた人物に横取りされてしまう。その人物はドミニク、ミアの実兄弟であるジェイコブだった。

ジェイコブはドミニクとの激しいカーチェイスの末に搭乗するフォード・マスタングごと崖へと飛び込むものの直後現れた磁力付き戦闘機に収容され飛び去ってしまい、残されたドミニクとレティの搭乗するダッジ・チャージャーが標的になるがドミニクの機転で国境を越え危機を脱することができたのだった。

ドミニクとジェイコブの間には、ジャックの事故死の原因となった人物を殴ったことによって収監されていた際に失火を起こす手段について刑務所で知ったドミニクがジェイコブがジャックを故意に殺害したと考え刑を終えて出た後に再会しジェイコブをストリートレースで敗北・街から追放させたという過去があった。それからジェイコブは某国元首の息子であるオットー、そしてドミニクの過去の敵であったサイファーを手を組んでいたのだった。

実の弟との再会に動揺をしつつもジェイコブを追跡するドミニクとファミリーはカスピ海にあるノーバディの基地にてミアと合流する。そこでラムジーからデジタル装置の正体が世界中のコンピュータをハッキング可能な電子機器「アリエス」であること、これが悪の手に渡れば世界滅亡の危機が訪れることを危惧したノーバディの手により二分割していたことが語られるとともに、ノーバディの足取りを探っていたテズの口からハンが一件に関わっていることが語られる。

ジャックの相棒であったバディと再会したドミニクは彼の口からジェイコブを追えばどちらかが倒れることとなること、過去と折り合いをつけ平穏に暮らしたほうが良いことを説かれたうえでジェイコブがロンドンにいることを告げられる。その後ロンドンにて宝飾品盗難を済ませたばかりのクイーニー・ショウと再会したドミニクは彼女のドライブするノーブル・M600の助手席に乗せられ彼女から情報を得るとともにオットーとジェイコブのいる大使館へと連れていかれる。そこでジェイコブと一触即発状態となったドミニクはオットーの外交官権限で確保されるも突入部隊の正体はドミニクと親交のあるレイサをはじめとする軍事組織であったことから事なきを得る。

一方、ローマンとテズはドイツ・ケルンにおいてかつて東京でハンと行動を共にしその後ロケットエンジン研究の道を歩んだショーン、トゥインキー、アールと合流しそこでポンティアック・フィエロを用いた実験を目にするも成功したと思った刹那に爆発・炎上したことで不安に駆られるも任務に使える車両を用意するよう要請する。

ハンの手がかりを求めて東京へ訪れたレティとミアはハンの自宅を見つけた刹那襲撃を受ける。そこで遭遇した少女・エルとの共闘して対抗するも取り囲まれ窮地に陥るが、ハンの狙撃により事なきを得たのだった。

エディンバラ。ローマンとテズが偶然電磁石を積んだトラックを発見し、その後オットーを発見したラムジーはオットーを追うためにローマンとテズを荷台に載せたトラックを未熟な運転で路上車両に追突したり磁石のスイッチを誤操作したりしつつもオットーが駆けるジャガー・XEに追突して足止めに成功する。一方ドミニクはジェイコブを発見し追いつくと服飾店やロンドンバス上で格闘を繰り広げやがてラムジーの運転するトラックの荷台に到達するも驚いた拍子にラムジーがブレーキを踏んだ際に道路上に転落したジェイコブが駐車されていたトヨタ・GT86を奪い逃走するが、ラムジーが磁石を起動し車両ごとジェイコブを確保したのだった。これに業を煮やしたオットーは金に物を言わせ武力増強をはかるが、それを見たサイファーからはヨーダのような操り人形だと言われるのだった。

基地にてファミリーとの再会を喜ぶハンは、ジゼルとの死別の後に彼女が行きたがっていた東京で楽しく暮らしていた最中にかつてジゼルの上司だったノーバディと遭遇したこと、彼からの任務で科学者の家から「アリエス」のパーツを奪取する際に科学者夫妻の娘かつ「アリエス」のキーであるエルを他にも狙う部隊から救出し守ってきたこと、ノーバディの腕利きの部下の裏切りに際してデッカードの襲撃を利用し死を偽装したことを告げる。その直後にオットーの部隊がジェイコブとエルを奪還するとノーバディの部下がジェイコブであることとノーバディがドミニクに接触したのはその兄であること、そして借金を帳消しするためにレースでジャックがジェイコブに細工を求めていたことが語られる。オットーとジェイコブがエルを連れて去った後にドミニクの機転でテズが磁石を起動させその隙をついてファミリーは逃走をはかるも追いつかれたことでドミニクは他のファミリーに累が及ばぬよう一人で部隊に立ち向かい自身もろとも水底に沈めたのだった

ドミニクは水底で、幼いころにジェイコブと共にジャックから1970年式ダッジ・チャージャーを前に家族の絆を説いてもらったこと、ジャックが電話で八百長を持ち掛けられる様、ジェイコブがジャックに細工するよう言われて実行する様、ジェイコブがストリートレースでドミニクに敗北して追放され悲痛の叫びを浮かべる様を回想していた。やがてドミニクはレティに救出され彼がいなくなったら彼女の生きる意味が失われることを諭される。

ジェイコブ達の企みを阻止するため、ローマンとテズがショーン達の協力を経て以前から改善したフィエロで宇宙に突入し、トビリシではドミニクとレティが磁石を駆使して部隊を片付けながらハンとミアがエルを救出する。一方オットーからアップリンクの調子がおかしいと言われ上がって調子を見に行ったジェイコブはそこでオットーからサイファーと手を組んだことを告げられ車両上でオットーの部下のスーと格闘となり窮地に陥るも、それに気づいたドミニクとレティの援護に加えてミアからエル救出に用いたトヨタ・GRスープラを譲られその場を後にする。エルが装甲車を攻撃するもびくともしないことから2台の車両で挟んでひっくり返すことをドミニクが提案するもなかなか割り込めない状況にあったが、そこに事態を把握したジェイコブが戻ってきてドミニクと協力、GRスープラを大破させながらもひっくり返すことに成功した。

衛星を発見したローマンとテズは磁石を起動させようとするも発射時の衝撃でケーブルがダメになったことから直接追突して破壊することをローマンが提案し実行させたことで衛星の阻止に成功したのだった。一方でひっくり返した装甲車にドミニクが乗り込んだ刹那サイファーの操縦する戦闘機が現れる。攻撃をかわしつつドミニクは装甲車を操作し戦闘機に追突させて破壊する。

ドミニクのもとに到達したジェイコブはエディンバラやトビリシで用いら1968年式ダッジ・チャージャーのキーを返そうとするが、そこでドミニクはジャックが完璧な人間ではなかったとはいえきょうだいを愛してくれていたこと、1作目においてブライアンがA80型トヨタ・スープラを譲ってくれたことが再起に繋がったことを説いてキーを託したのだった。ミアと抱擁を交わした後ジェイコブはチャージャーに乗ってその場を後にしたのだった。

全てが終わった後、サーキットにてドミニクはリトルBにジャックのことを語ると共に、逮捕される前にジェイコブを励ました時のことを回想したのだった。その後、家でのパーティにおいてハンはショーン達との再会を喜ぶと共にエルを紹介し、レティはリトルBにエレナのことを語り、そして青いBNR34型日産・スカイラインGT-Rが家に向かうところで終了する。

ミッドクレジットではデッカードがデータを盗んだ男を入れたサンドバッグを殴っているところにハンが訪れデッカードが驚く。

⚪鑑賞
金曜ロードショーで鑑賞。

⚪パンフレット所持
鍋レモン

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