レオン

ワイルド・スピード/ファイヤーブーストのレオンのレビュー・感想・評価

3.9
このシリーズに驚愕するのは、毎回違ったシチュエーションでのアイデアあるオリジナルアクションを創作しているという点。 5作目ではコンテナほどもある巨大金庫を引きずり、あらゆる物をぶち壊しながら街を爆走するなんて、どうしたらそんなアイデアがひらめくのか感心しきり。 他にも飛行機が強力磁石でジャンプした車をキャッチ! 車がワイヤーでスパイダーマンの様に弧を描く等、他作にないシーンが数知れず。

今作もそんなアクションが、A級・A級・超A級と続き、さらには、マーベルヒロインからDCヒーローまでの登場に推定制作費450億と史上8番目の高額にため息。 が、しかし前半の物語はかなり散漫に感じる。 

目的に向かって展開して行くのではなく、流れから外れたシーンが枝的に入って、アクションを見せる為に、間に "休憩タイム" を入れたかの様にさえ感じて、なかなか引き込まれない。 アクション中は目を奪うように楽しませくれるが、今ひとつ”心”と"頭"は動かない。
(脚本に2人が関わっているので、お互いのいいアイデア部分を無理から繋げたのか・・)

タイトルに関して。「Wild Speed」は邦題の造語なので海外では「Fast & Furious」シリーズと言わないと通じない。5作目からは、Fast か Furiousのどちらかの文字しか使わない場合が多く、特に9作目タイトルは、飛行する車体を戦闘機型番に掛けて「F9」だけ♪   今作の原題「Fast X」もエックスではなく、ローマ数字の10。
(と、解説するが、自分も十作目と知ってからテンと気づく^^;)

↓ネタバレ含む

とやや、物語としての脚本的魅力が乏しいなと感じていたが、終盤ドムの息子がダンテに奪われてからが、作品に"火"がついた! それまでダンテの復習がいつ始まるかを待っている様だったが、息子を取り戻さなければ、という命題が加味された。 そして弟シナが命を賭しての援護に今度は物語に"心"が籠もる。

この展開がなければ、本当にアクションを見せるだけの作品になっていたのではと危惧する。 

それに他の方レビューと同様に違和感が沸く点も多々。 爆弾は水中爆破により十分の一の破壊力になっていなければダンテも吹き飛んでいたのでは? 特殊部隊の隊員は悪党上司の命令に従っているだけなのに、ドミニク達に殺されていいものか? 子供を同乗させての殺人戦闘は致し方ないのか等、多数の突っ込み所も。

ラストの盛り上げが今作をかなりの高評価に押し上げている要因と思うが、私的に前半は小休止感を醸し出していたマイナス点で★4には届かずの評価に。 続編では作品全体でのシリアス感と緊張感を増す展開に期待します。

PS
エンドクレジットの俳優名に 最後の大物俳優さんに付けられる "and" (そして)の文字が、3名に付くのは、初めて見たかも♪ and Helen Mirren 、and Jason Statham 、 and Charlize Theron セロンが大トリで格別の扱いに納得も。
レオン

レオン