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ワイルド・スピード/ファイヤーブーストのbluebeanのレビュー・感想・評価

4.0
車で宇宙まで行ってしまって前作と比較して、なんとなく落ち着きがあって洗練された雰囲気を感じました。それでも十分めちゃくちゃですが。いろんな要素が定番と化していて、もはや様式美の域です。個人的にはやっぱり走り屋が集まるレースシーンがお気に入りですが、今回もしっかり入れ込んでくれてます。

相変わらず車が飛行機から飛び降りたりするわけですが、不思議とリアリティのなさが気になることがなかったです。カーアクションも様式美と化しているので、ワイスピではこの程度はあり得るよな、という世界観ができあがってしまっているおかげかなと思いました。ファミリーも年齢が上がってきて馴れ合いというかマンネリ感が漂ってきてもおかしくないのですが、どちらかというと様式が固まると言うポジティブな方向に向かっている気がして嬉しいです。

もう10作目ということで、世間はEVとか自動運転などと言っていて時代も変わってきていますが、作中の「車を運転して問題を解決する時代は終わった」というセリフで笑ってしまいました。確かに、この映画って運転して問題解決してるよな、と。むしろそんな時代、ワイスピの世界にしか存在してなさそうですが(笑)。

今回の敵のダンテは軽いノリでありながら最強レベルに強くてなかなか魅力的です。頭脳戦に強くてファミリーを翻弄するわけですが、その強さの理由が何にもないところが面白いです。しかも動機が父の敵討ちというスケールの小ささ。でも謎に強い。自作でそのあたりは深掘りされるのでしょうか。

ラストの引きは素晴らしいです。完全に整った舞台でぶっ飛んだカーアクション、お馴染みのエンジン内部の描写が出てきたところで痺れました。ちょっと驚きのキャラの登場もあり、次回作への期待がいやでも高まります。
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