TAMU

パンドラのTAMUのレビュー・感想・評価

パンドラ(2016年製作の映画)
3.8
ちょっと日本人としては見るの辛いな〜。
韓国の辺境の町にある原発がメルトダウンしてしまう物語。

まぁ、個人的に東日本大震災の記憶もあり、敬遠していた作品。また結果としても、あまり早い段階で見ないで良かったな、と。

正直、CGやドラマでは想像を超えず。但し、地震からの原発崩壊は、日本の記憶が蘇り映画に入り込めない💦

ドラマとしては『アルマゲドン』感あり、特に被ったのは舞台でみた今井雅之の『WINDS OF GOD』か。

どれも共通するのは、男性がキリスト的に十字架を背負い、それが良きこととして描かれること。当の本人は不本意な側面も感じるが、女性、子どもを守るために、自身が犠牲になることを選ぶ。

これはこれで感動するのだが、家族の長は男性であり、男性が優位であるからには何かあれば身を犠牲にして家族を守る。割と世界に底通しているこの考え方に今となっては違和感を感じる。

ついでに、このどん詰まりの展開に至るのは大概男性陣が間違いを起こすというのも典型か。

一方で、本作は本質的になんの解決にもなっていないのは、日本のいま現在と共通する問題。
パンドラの箱が原発であれば、開けるか開けないかの問題ではなく、その箱自体を無くす方法を考えるべき。

おっと、クソ真面目なレビュー失礼💦

作品としては、最後にキム・ナムギルいいこと話しすぎたかなー。もう少し間接的に、映画的に愛や迫る恐怖を語って欲しかった。

キャストとしては、国民のお父さんことチョン・ジニョンがクソ良い人を演じるが、もう少し遊びが欲しいところ。
キム・ナムギルの母キム・ヨンエを始めとする女性陣は、演じるのがさぞ難しかったろうと気の毒に感じるほど、現場と離れた中での熱演。

「未生」クラスタとしては、専務イ・ギョンヨンが、自分の見る限り最高役職の首相、クソ首相を嘘つき感たっぷりに演じる。
鉄鋼部マ部長ことソ・ジョンハクは、自己中心の電力会社代表で登場時よりダメ感丸出し♡

そして我らのキム・ドンシク代理、キム・デミョンが心優しいナムギルの友人役♡
ここら辺、ちょうど未生人気を経たキャスティングだったのかもな。

その他、偉い人軍団は見たことある人満載w
大統領がキム・ミョンミンだったり。

最後に大好きな『海霧』のくるくるパーマことユ・スンモク情報。
本作ではキム・ナムギル、キム・デミョンを率いる原発技術班長として出演。得意な無責任上司ではあるが、後半「どうせ死ぬならやってやろうじゃないかー」と仲間を鼓舞する姿に感涙。その後に八方塞がりとなり「帰ろう」と言い出す姿に更に胸熱w
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