Kellie

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のKellieのレビュー・感想・評価

3.4

1940年、制空権を奪われ湾岸に追い詰められた連合陸軍のダンケルクからの大撤退作戦、通称ダイナモ作戦を指揮したチャーチル。首相就任からわずか2週間後のことだった。この大撤退作戦の成功は、失いかねなかったイギリス軍19万とフランス軍14万、計約33万の将兵を結果的に救った。敵を引きつけておく持久戦で犠牲になったカレーの小部隊や応戦した空軍兵を除いて。
第一次世界大戦、ガリポリの戦いを海軍大臣として指揮したチャーチル。その過去を失策として引き合いに出しいつまでも邪魔をする野党。しかしこの映画においては、そこでヒトラーと対峙した経験があったからこそ、ヒトラーの獣的な恐ろしさを知っていたからこそ攻勢を取り、戦争被害を抑え戦意高揚できたように描かれている。
当時植民地だったインドへの残酷な政策もあり、チャーチルは安易に美化できるような優れたリーダーだったと個人的には決して思えないが、戦争という異常な状況でしぶとく務め続けるには適した人物であったようだ。
しかし、イギリスのヒーローはチャーチルでもサッチャーでもなくて、NHSを作った他ならぬクレメント・アトリーだと思う。映画にはできないかもしれないけれど、、

ゲイリー・オールドマンの特殊メイク、教えられなきゃメイクだと気付かないレベル。辻さんの高い技術に感嘆した。素晴らしい、もはや手仕事。
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