ベルサイユ製麺

旅猫リポートのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

旅猫リポート(2018年製作の映画)
3.3
いわゆる[終身猫観刑]執行中です。モフ・イズ・ニュー・ブラック。

邦画の猫映画が混同しやすい事に加えて、この手のジャケの“なんか善さげっぽい”作品がまた認識しづらい…。そのゴチャ×ボヤのクロスポイントに存在するのがこの作品です!個人の感想!!


ハチワレの愛猫ナナをケージに入れ、車で走り出す青年サトル。ナナは5年前はノラだったが、普段から目をかけてくれ、事故にあった際に助けてくれたサトルの家に落ち着く事にしていたのだったが…。
サトルは今日、ナナを身請けしてくれる家庭を探して車を走らせている。勿論目星は付けてあったが、これがなかなかうまくいかない。


…。変わった話ですね。なんとも内容に触れにくい。
…。
とか言ってるうちに「は〜ん?さては…」て方も居ますよね。
…。

原作当然未読なのですが、思うにこの作品は“動物もの”のセオリーを逆転させた物語として発想したのではないでしょうか?…これでも書き過ぎかなぁ?
…でも、多分どういう話かは(勿論ディテールは別として)冒頭の5分位で察しがついてしまうと思うのですよね。…だってねぇ。


ちょっと気合入れて、一気に!
この作品、物語そのものはきっととても良い!原作はとても優れた“動物との絆の物語”なのだと思います。
だのに、映画化が全く上手くいってない…気がする。
福士蒼汰が、元々弱々しいオーラ纏い過ぎ。出落ちに近い。まあ、それはともかく…
思わず「ぎゃあ」と声が出たのは、猫の内面が全てモノローグの形で言語化される!これは本当に苦手。しかもネコが『人生、ならぬ猫生を』とか『耳にタコとかイカとか出来ちゃうよ』とか言っちゃって、…なんすか?猫の内面はそんなまあまあ年嵩のやっつけ仕事が染み付いた脚本家みたいな感じなんですか⁇
…とか、この作品の好みでない点は、とにかくダサい事に尽きます。
💢今時、ボンヤリ物思いで鍋を吹きこぼすシーンなんて撮るかね⁈
💢事故にあった猫ちゃんから血が流れてる状況って完全にアウトでしょ?
💢💢💢特定の病気の人に、記号的にニットキャップ被せてんじゃねえよ!!!!!
もう、ホント細かい杜撰さ、…というかやっぱりダサさが気になって気になって、おそらくはきっと善い話であるに違いないのに全く集中出来なかったんだよ!

最低限改変すべきポイントは、猫のモノローグは無し。有っても、飼い主の想像にする。
猫に人間的思考を求めるなんて愚の骨頂です。猫様と人とは、生き物としてのステージが違うんだよ!

…この監督、自分は『覆面系ノイズ』しか観てないんですけど…、まあ、ねえ。仮定ですが、原作の良いところを履×き×違×え×てしまうタイプの作家なのかな?(伏せ字大成功)
個人的には、このストーリーラインなら『君が生きた証』ぐらいのドライさでもって心を揺さぶって欲しかった。まあ、想定してる客層もまるで違うのでしょうけどね。はぁ。

ただ!猫可愛い〜〜〜!
ナナとハチ、二匹のくったりハチワレちゃんには、わたくしからパルムキャットと、ベルリン金猫賞、副賞のちゅ〜るを枕ぐらいの大きさにして贈呈したい!☆は殆どこの二匹につけました。あと、熟猫モモの姉御の抑えた演技も良かったですねー。ネコネコメーター3🐈!
…犬とかいうのはただウルセェだけ。(←劇中では、ですよ?)
それと、福士蒼汰の最高の笑顔が、最高で笑顔になっちゃいましたよ。彼、顔の雰囲気より声が低いので、喋り出すと頭の中で2メートル位の印象になりますよね?広瀬アリスも、とても広瀬アリスだったぞ!ここに来て更に伸びてきてるな!よしよし!