フォンザヲ

孤狼の血のフォンザヲのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
2.0
企画段階では古き良き東映の実録系Vシネを目指した感があるが、製作陣にそれを汲み取る技量がなかったか。
役者陣も素晴らしい。
残念なのは緊張感のないカメラワークとお粗末な美術スタッフ。
役所幸司らは言うまでもないが、松坂桃李の暴力は目を見張るものがあった。最後のジッポのシーンのセリフも素晴らしい。
何かが足りないのは大勢の人が言っているのだが、その何かは言わずもがな暴力装置である人間だ。人間が足りない。出てくるのは演者に動かされている、空っぽの人形劇なのだ。これが深作が描きたかった部分である。どれだけ血を流してもそれは人間の血ではなく、豚の血なのだ。豚の鮮血を見て、暴力だとは思わない。
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