このレビューはネタバレを含みます
良作。警察もの・ヤクザものの中では頭一つ抜けている作品。原作小説の完成度の高さを下地に、映画のキャストや演出によって更にクオリティを上げている。
アクションやバイオレンスは毎回強烈で凄惨ながらも、場面としては案外少ない。その代わりに、暴力団や右翼団体との癒着、内偵、美人局など全体を通して結構ジメジメした情報戦に主眼を置いた点がリアル。警察もヤクザも政治の中で動いていて、その目的は結局のところ保身なんだよな。
役所広司演じる大上、松坂桃李演じる日岡が素晴らしい。方言含めた演技力・表現力が圧倒的。大上の狂気と芯に潜む熱さ、日岡の当惑と葛藤と師匠を継承する覚悟に視聴者も心を揺さぶられる。
個人的には、本作で松坂桃李の印象が大きく変わった。終盤近くで覚醒してからの佇まいが格好よすぎて。