切れ込みを入れて撃たれた弾丸のように、私の中を抉ぐるように飛び散った「弧狼の血」という破片たちは、数日経った今でも、なんとも言えない存在感で脈打ってる
汗臭さ
グロさ
エグさ
生々しさ
そして
滑稽さ
偏り
闇
そんなビジュアルから伝わるものを軽々と飛び越えて、私の中に残ったのは羨ましさだった
この感覚は、懐かしさも備えていた
かつて「フェイク」を観た時、ストーリーの最後に覚えたものととても似ていたから
羨ましいというのは
この作品の全ての景色は、男性にしか見えないものだって分かってるから
頭やマインドじゃない衝動で生きている人達にしか歩けない縄の上だから
生きる事の躍動感は信念が突き動かすものなのかもしれない
今の役所広司さんを見届けたい、その思いだけで出合った
でも、気付いたらそこには
じっくりと役を重ね続け辿り着いた、松坂桃李さん
高すぎる声に精錬な容姿をそのチグハグな役にきっちり染め上げた、竹野内豊さん
研ぎ続けているんじゃないかと思うほどに、どんどん鋭い斬れ味を見せる、江口洋介さん
悪くも善くも、明るくも暗くもない、作品全体のエッジになった、ピエール瀧さん…
見惚れた男達が溢れていた